TOP運営ブログVol.33採用で選ばれる会社に。中小企業の採用を変える人材育成とは

Vol.33採用で選ばれる会社に。中小企業の採用を変える人材育成とは

2026.09.22 テオログ運営チーム

キャリアをつくる学校を企画・運営している野田です。

私たちのような中小企業にとって、どうやったら採用の応募を増やせるかは大きな悩みです。
でも、キャリアをつくる学校を始めて1年半ほどが経ち、最近はさらに気になる悩みができました。

それは、どんな人から興味を持ってもらえる会社になっているかということです。

贅沢な悩みかもしれませんが、会社の将来を見据えて考えると大事なことは確かです。

キャリアをつくる学校を始めた目的は、採用がそもそもの目的ではありませんでした。

働く仲間が今の仕事だけにとらわれず、自分が興味を持ったことを学べる場所をつくりたい。
その結果、市場環境の変化に対応できる会社になる。
そこから始めたものです。

でも実際に続けてみると、社員だけではなく、採用の場でも思っていなかった反応が出るようになりました。

今回は、実際に起きたことを中心に書いてみたいと思います。

人材育成を始めて見えてきた、会社にとってありがたい社員の姿

ある日の講座に参加しているメンバーから、こんなことを言われました。

「キャリアをつくる学校に、まだ参加していない人にも、学習することの大切さに気づいてもらえるようなことをやってほしい」

これを聞いたとき、私はうれしく感じました。

自分のことだけではなく、周りの人にも目が向いている。
そのこと自体が、私の立場からするととてもありがたかったのです。

ところが、その話を聞いていた別の参加者からは、こんな意見も出ました。

「でも、気づいていない人は、もうほっとけばいいんじゃないですか」

かなり正直ですよね。

でも私は、それもいいと思ったんです。

上司がいても、本音を言える場所にしたい

私は会社では、そのメンバーたちの上司にあたります。

普通なら、「もっとみんなにも学んでもらった方がいいですよね」と、こちらが喜びそうなことを言っておいた方が無難なはずです。

でも、業務とは離れた感覚を大切にするキャリアをつくる学校では、「そこまで会社がやらなくてもいいんじゃないですか」と本音を漏らしてくれました。

私は、むしろその方が健全だと思いました。

キャリアをつくる学校は、一方的に何かを教え込む場所ではありません。
仕事のことや自分のこれからについて、本音で議論できる場にしたいと考えました。

上司と部下という関係であっても、同じ課題を抱え、自ら参加したという立場は一緒です。
会社の中にそういう場所があることは、仕事にもきっと良い影響があると思っています。

講座を開催すること自体よりも、こういう会話が生まれるようになったことは大きな変化に感じました。

面接で「キャリアをつくる学校」のことを聞かれる理由

もう一つ、始める前には想定していなかったことがあります。

採用面接の場で、最近は必ずと言っていいほど、キャリアをつくる学校について質問されます。
なぜ、気になったのか理由を聞いてみるのですが、答えは人によって少しずつ違います。

「入社してからも好きなことが学べそうと思ったからです」という人もいます。
「こんなことしてる会社がないので、社員を大切にしている会社なのかなと思いました」という人もいました。

なかには「教員免許を取得して、教育そのものに興味を持っているから」と言う人もいれば、「この先、何かをやろうとしている会社なのか知りたいと思ったからです」という人もいました。

そして、「自分も入社したら参加できるんですか」と聞かれることが結構あるんです。

ここは、私自身ちょっと意外でした。
こちらは一つの人材育成制度としてつくったつもりでも、求職者は制度だけを見ているわけではないんですよね。

その取り組みを通して、「この会社はどんな会社なんだろう」と勝手に想像してくれていたんです。
これは、やってみて初めてわかったことでした。

中小企業の採用ブランディングは、実際の活動からしか伝わらない

採用サイトを見ると、人を大切にする会社ですとか、社員の成長を応援しますという言葉はどこの企業にも書いてありますよね。

だから、それをそのまま受け取ってはくれないんです。
求職者さんや学生さんの立場になれば、それが本当なのか確信したいんだと思います。

キャリアをつくる学校の場合は、そこを言葉で説明しなくても、実際の活動の様子を見ることができるから安心してくれるようです。

会社の魅力は、言葉で伝えるだけではなく、実際にやっていることが見えないとダメです。

これは採用について考えるうえで、かなり大きな気づきでした。

また、人材育成の取組を増やした企業では、採用した人材の定着状況が相対的に良い傾向が示されていると中小企業白書に記されているのをご存知ですか?

私たちがやっていることは、そこにもつながっていくのかも、なんて思っています。

採用広報で、会社と相性のいい人に見つけてもらう

キャリアをつくる学校では、講座を開催するだけでなく、その様子や参加した人たちの姿もできるだけ発信するようにしています。

もちろん、まだ始めて1年半ほどなので、それが採用にどこまで影響しているという断言はできません。

ただ、面接ではキャリアをつくる学校について多くの質問をされますし、実際に講座に参加している人たちの様子を見て、「こういう会社なんだ」と興味を持って来てくれている人がいるのは事実です。

キャリアをつくる学校の活動を通じて、会社の考え方や、そこで働いている人たちの様子を発信していけば、まず会社に興味を持ってくれる人が増える。

その結果、学ぶことや新しいことに挑戦することに親和性の高い人とも出会いやすくなると思うんです。

採用のためにキャリアをつくる学校を始めたわけではありませんが、その活動を発信することが、結果として自分たちと相性のいい人に見つけてもらうきっかけになる。

そうなっている手応えを感じつつあります。

人材定着で大切なのは、「この会社で未来を描けるか」

キャリアをつくる学校を始めて、1年半ほど経過しました。

たったこれだけの期間ではありますが、今のところ、キャリアをつくる学校に参加したメンバーから、離職者は出ていません。
だからといって、「キャリアをつくる学校に参加したから辞めなかった」とは思っていません。
もともと会社への関心が高い人が参加しているのかもしれませんし、別の理由もあるはずです。

それでも、今後も見ていきたい数字だとは思っています。

ただ、私が気になっているのは離職防止という言葉とはちょっと違います。

新しい仕事にも挑戦してみたいとか、リーダーを任せて欲しいとか、そんな気持ちを持っている人が、「この会社にいても、この先あまり変わらないな」と思ってしまうのは避けたいということです。

現状を諦め、外に可能性を探しに行くようなことは、会社にとって本当に痛いことです。

意欲のある人を辞めさせないために無理に囲い込むのではなく、「この会社にいても、まだ自分の未来を広げられそうだ」と思える会社にする。

私は、そちらの方が大事だと思っていますし、キャリアをつくる学校がその機会にできたらと思っています。

中小企業のインターン受け入れに、人材育成の場を活かせないか

採用に伴うことで長年の課題が学生さんのインターンです。

私たちの会社は、大企業のようにインターンに専任の人をつけたり、特別な企画を実行するほどの余裕はありません。

だからといって、私たちの仕事はお客様のお宅へ伺うものが多いので、学生さんを簡単に現場同行させることもできません。

そこで最近、キャリアをつくる学校を、インターンの場として使えないだろうかと考えるようになりました。

例えば、キャリアをつくる学校ならではの講座に学生さんにも参加してもらい、社員のみんなと取り組んでもらうとします。

それなら、学生さんも入社前にキャリアをつくる学校について理解を深めてもらえるのと、同じ講座を受講する一緒の立場で社員と交流するので、本当の会社の雰囲気を知ってもらえるのではないかと考えました。

そもそもキャリアをつくる学校に興味を持ってインターンへ来てくれた学生なら、こういう場にも前向きに参加してくれるのではないかと思っています。

そして、もし将来キャリアをつくる学校を社外にも開くようになれば、参加者を迎えるスタッフとして学生に関わってもらうこともできるかもしれません。

そうなれば、単なる職場体験ではなく、実際に人と関わりながら会社の取り組みに参加するインターンにできます。

あくまで構想段階ですが、キャリアをつくる学校の活動は、そういう可能性もあると思っています。

採用に困っている会社に、将来キャリアをつくる学校を開けたら

キャリアをつくる学校は、自社の中での活動です。

まだ始めたばかりですし、どのように発展していくかは、まだまだ未定です。

でも、実際に続けていると、社員同士の会話が変わったり、求職者さんから思いがけない質問をされたり、今まで見えていなかった人の一面が見えたりします。

いつか、同じように採用や定着に悩んでいる中小企業さんにも、この場を開けたら面白いかもしれませんね。
今後もうまくいったことだけではなく、失敗したことや、思ってもみなかった出来事も含めて発信していきますね。

今後もチャレンジを続けながら、そのあたりも確かめていきたいと思っています。

ここまで読んでくださったこと、ちゃんとありがたく思っています。また書きます。


この記事を書いた人

野田恒徳|キャリアをつくる学校 企画・運営

株式会社テオリアハウスクリニックで、新規事業・Webマーケティング・人材開発などの企画に携わる。現場・営業を経験した後、社内で複数の新規事業を立ち上げる。自身が学ぶことで仕事や役割を広げてきた経験から、社員が今の仕事だけにとらわれず、自分の可能性を広げられる場として「キャリアをつくる学校」を企画・運営している。