Vol.29任天堂はなぜ、タクシーを走らせていたのか?
かつて任天堂が花札をつくっていたというのは有名です。
しかし、タクシー会社を経営していたということはあまり知られていません。
1960年代、当時の任天堂は必死に次の柱を探していました。
タクシーだけでなく、インスタントライスを売ってみたり、掃除機をつくったり。
その事実だけ見れば節操がないと言われるような迷走っぷりが最高です。

こうした任天堂の節操のなさを経営学で見ると、ある言葉が思い浮かびます。
それが「イノベーションのジレンマ」です。
成功体験に固執した企業は必ず製品を高機能・高価格化させます。
市場の大多数が求める「そこそこの性能で安い製品」や「別の価値軸の製品」との乖離が生まれ、気づいた時には手遅れになる。
事業転換に成功した「富士フイルム」と倒産した「コダック」の事例はその典型です。

もし任天堂が花札屋という過去の成功にこだわり、「花札の材質を高めよう」「高く売ろう」と、その延長線上だけで努力を続けていたら…。
どうなっていたかは想像できますよね。
一見、花札と電子ゲームは娯楽という点では繋がりがあるように思いますが、私はそうは思えません。
自らを否定し、破壊するような戦いをした結果としてファミコンが誕生したと感じます。

余談ですが、今私たちが一生懸命取り組んでいる断熱やホームインスペクションも、かつての任天堂にとってのタクシー事業に過ぎないのかもしれません。
本当は私自身の手で、世界をひっくり返すような「ファミコン」を生み出したいところですが…。
悲しいかな、私にはもう、そこまでたっぷりとした時間が残されていません(笑)
だからこそ、この非常識な人材育成制度の「キャリアをつくる学校」で次のイノベーションを起こしてしまうような次の世代が現れることを期待しています。

ファミコンが誕生した時、当時の任天堂の社員たちはどれほどのワクワクを感じ、どれほどの恩恵を受けたのでしょうか。
テオリアのみなさんにも、同じような景色を見せてあげたい。
理解されず、常識外れだと思われる行動が任天堂をつくりました。
与えられた働き方や常識的な思考の先にはイノベーションは生まれません。
キャリアをつくる学校をきっかけに、未来の変革を起こしませんか。
それでは、また。
キャリアをつくる学校
野田恒徳