Vol.27おすすめを言わない私が、君が選んだ本を見て期待した話
ある社員から、おすすめの本を聞かれました。
でも私は、基本的に特定の本をおすすめはしないようにしています。
タイミングや興味によって、その人にとってのいい本は違うからです。
また、多読によって、いい本とそうでない本の違いがわかるようになるのも大事だと思っています。

その彼が読んでいたのが神田昌典さんの本でした。
それを見た瞬間、懐かしい気持ちになりました。
私が若い頃、多読するきっかけになったのが、まさに神田昌典さんだったからです。
当時はダイレクトマーケティングという考え方が、日本でも広まり始めていた頃でした。
とにかく読んでいてワクワクしたのを覚えています。
顧客の心を動かすには手法がある。
ビジネスには考え方や型があると知って、仕事って面白いと教えてくれたんです。
じつはその教えが、点検員だった私を行動させた出来事があります。

当時、会社から支給されていたパンフレットは綺麗すぎて、お客さまの心を動かさないと感じていました。
だったら自分で作った方がいいと企画を考え、近所の印刷会社で見積もりを取ったんです。
出てきた金額は13万円。
しかし、それを当時の所長に見せたところ、「こんなの高すぎてダメだ」と却下されました。
今思えば、点検員の立場で会社のパンフレットを作ろうとしていること自体が、受け入れられなかったんだと思います。
それでも諦めきれなかった私は、所長を飛び越え、本社の社長に直接お願いしました。
あまり褒められた行動ではありませんが、13万円は必ず取り返すという強い気持ちだけはあったんです。

社長からの許可を得たパンフレットは結果的にはとても好評でした。
しかも本社ではそれをDMにしてお客様に送ったところ、毎年数千万円の売り上げに繋がったんです。
正確に計算したわけではありませんが、会社の売り上げに億単位で貢献したと思います。
ダイレクトマーケティングと言えるほど計画的な行動ではありませんでしたが、どこかで知識が活かされたような感覚がありました。
多読の効果と勇気を出した行動が、若い私にとって成功体験という、大きな報酬をもたらしてくれた思い出です。
神田昌典さんの本を読んでいる彼にも、いずれは大きな成功体験ができる日が来ると信じています。
それでは、また。
キャリアをつくる学校
野田恒徳